先日のコーチング・セッションでのこと。
あるクライントさんが、こうおっしゃいました。
「声にして良かった」
単なる愚痴を吐き出したわけではありません。
なんとなく、ぼんやりと頭では思っていたことなのに、
声にすると腹が決まってスッキリしたと言われました。
普段、その方は思慮深い方で、言葉を丁寧に選んで話をします。
愚痴を聞かせてくれたこともありませんし、人を悪く言うことも、相手を感じ悪く否定する言葉も聞いたことがありません。
「たしかに・・・」と一旦受け取ってから返すので、懐の深さを感じさせます。
ですから質問を投げかけても、言葉にするまでに時々時間が掛かることもあります。
もちろん、セッションは考える時間を大切にしたいので、その方のペースでお待ちしていますが、待っている時間にその方の考えが練られていくのが、とてもよく伝わるのです。
正直、その方からそうした言葉を聞くとは想像していませんでした。
とても熱のこもった、自分を大切にする言葉でした。
「(ある事を)声にして良かった」と言うまでは、
随分、勇気も要ったに違いありません。
声にしてしまえば、それを認めることになる
声にしてしまえば、知らないフリはできない
声にしてしまえば、自分に火を着けることになる
声にしてしまえば、そこに向かい、後戻りはできない
でも、声にしてしまえばスッキリする
きっとこの方は、次のステージに向かうことができるでしょう。
自分の場所が自覚でき、目指す北極星が明確になったのですから。
半年以上、セッションのお付き合いがあっても、
まだこうして自分を発見していく方を見ると、やっぱりコーチの仕事はやめられません。