最近、タイムマネジメント・コーチングのセッションで、かなり切羽詰まった状態のクライアントがいらっしゃいました。

そんな時は、時間の使い方を改善するフェーズの前に、「やることがたくさんで、焦っている」という精神的負担を何とかしなければなりません。

頭の中が、「あれもやらねば!これも今日中にせねば!」ということでいっぱいなので、悠長に「自分の理想の時間の使い方」なんて考えられないからです。
アドバイスも入っていきません。明日やることすら、量に圧倒され、冷静に考えられません。

そうはいっても、焦りで時間だけが過ぎていくのも無駄なので、一旦セッションの間だけは落ち着いて冷静に考えられるよう、一緒に整理をしていきます。

この方にはタスク出しの手伝いをし、整理をしていきました。
そして対症療法ですが、イメージとしてこのように分けてもらいます。

① タスクリスト(マスターリスト)の中で、「締め切りが近いタスク」の順に並べます。
② 今日と明日でやるべきことを、締め切り基準で分けます。
     【スタメン】絶対にやるべきタスク
     【ベンチ入り】できればやれるといいないうとレベルのタスク 
③ それぞれ、仕上がり基準を考えます。
     【100点仕上げ】完璧にしなければならないもの
     【7割仕上げ】 70%でも80%でも、今回は完璧を手放すもの

ここまでくると、不思議と気持ちが落ち着きます。
自分を待ち受けるものの正体がわかるからでしょう。
わからないことって、不安ですからね。

理想は全てに全力投球ですが、締め切りが差し迫った時間無い中での苦肉の策です。
あくまで対症療法の一時しのぎではありますが、焦って目に付くものを片っ端からローラー作戦でやるより、効率は良いはずです。
また焦った状態では、時間を使うときも自分の100%を出し切れませんよね。

そして少し山を越えて気持ちが落ち着いたら、週末にでも体制を立て直す根本療法に着手していきましょう。


さて、明日香出版社より、また本を出版していただきました。(当ブログでは前回お知らせ)

今度は、『時間を「うまく使う人」と「追われる人」の習慣』の図解入り大判の本です。
大きくなって、見やすく図が入りました。図解は読者の方からのリクエストだそうです。中身の文章はほぼ一緒なので、前回にご覧頂いた方は間違えてお買い求めになりませんように!

私はこの本を「時間の使い方がなんとか上手くなってラクになりたい!」という人に向けて書きました。自分自身が、時間の使い方が変わってからラクになり、心にゆとりができたからです。

ビジネスで生産性を上げるためのタスクマネジメントが必要な方は、専門的な本をお勧めしますが、日常で時間に追われている人は、いろんな本を読み比べて実践する時間なんてありませんよね。そんな方に、いくつかのヒントを拾っていただければと思っています。

そして、「ここ、どういうこと?」とか、「こんな感想もったよ。」とか、「これを実践してみたんだけどね・・・」なんて質問感想は、大歓迎です。

勉強会、読書会なども、呼んでいただければ可能な時は参加させていただきます。

時間の使い方で悩んでいる人の話は、これまで沢山聞いてきました。
その方たちが、日々、一生懸命努力されていることも知っています。
コーチング・セッションでも、いろんな壁にぶつかりながら、そして自分のダメな部分も明かしてくれながら、時間の使い方が良くなるように努力してくださるのです。

そんな方たちの時間の幸福度が上がっていくことを、本当に願っています。この本もそういう方々に届くといいなと思います。