コーチングという名前のせいか、本来とは異なる認識をされることがあります。それは、「コーチングを受けると指導されるのではないか?」ということです。
おそらく一般的にスポーツのコーチは選手に対して指導することから、「コーチは指導するもの」というイメージが定着しているのでしょう。コーチング・セッションをする人をコーチと言いますしね。
しかし、コーチング・セッションにおいて「ああしなさい」「こうしないといけない」など、コーチングのコーチが指示・指導・アドバイス・命令することはありません。
コーチング (Coaching) はティーチング (Teaching=教えること) と違い、知識を与える型ではなく、本人が考えて答えを出します。あくまでも、本人主体で展開していきます。そこで会話を広げ、ポイントを深め、ご本人のクリティカルポイントを引き出すのが、コーチの仕事です。
では、どうやって引き出すか?それは質問という形です。
人は、質問があってはじめて考えます。「週末は何をしようか?」身近なところだと、こうした質問を自分にしているのではないでしょうか。そして、大切なことはじっくり多面的に考えたいものです。
アメリカの有名コーチ、アンソニー・ロビンズはこのように言っています。
自分で良質の質問が投げかけられれば、それに越したことはありませんが、自分のこととなると、なかなか難しいものです。人は自分にとって都合の良いものを選んでしまうからです。訓練され経験を積んだプロのコーチの質問は、気づきを生みます。
イタリアの天文学者、物理学者のガリレオ・ガリレイの言葉です。人に言われてやるより、自ら気づいたことはモチベーションも違います。コーチングは、自ら気づいてもらうように質問の形をとるのです
さて、ここまでコーチングは「指導されるのでは?」という誤解についてお話してきましたが、逆に指導を望まれる方もいらっしゃいます。それは、コンサルタントや先生を望んでいるのでしょう。ですから、最初のオリエンテーションでご意向を確認し、私が持っているものであれば提供しますが、そうでなければ別の専門のコーチをお勧めします。
いずれにしても、コーチングをセッション最初のオリエンテーションで話をしておくべきものです。成果を出していただく為に、どのコーチとでもしっかり確認していただければと思います。